親知らず

親知らずについて

親知らずとは

親知らずとは

一般的に16~30歳頃に生えてくる前歯から数えて8番目の歯のことをいいます。永久歯の中で一番最後に生えてくるためスペースがなく、横や斜めに傾いたり、骨の中に埋まったまま生えてこない場合があります。このような親知らずは腫れたり隣の歯まで虫歯になることが多く、トラブルの原因になりがちですので、抜歯した方が良いでしょう。歯磨きを頑張れば抜かないでいいケースもあります。

親知らずの痛みの原因

  1. 親知らずの周りの歯茎が
    細菌によって腫れている
    親知らずの頭(歯冠)が完全に出てきていないと、歯茎と親知らずの間のすき間に細菌が蓄積します。細菌の蓄積が原因で周りの歯茎に炎症が起こり腫れや痛みを生じることがあります。
  2. 親知らずの虫歯 親知らずは一番奥に生えているため、歯ブラシが十分に届かず虫歯になりやすい歯です。斜めに生えることも多く親知らずの頭(歯冠)と接している手前の歯(第二大臼歯)が虫歯になってしまうことがあります。
  3. 親知らずが隣の歯を圧迫 親知らずが斜めに生えて、手前の歯(第二大臼歯)に当たり、手前の歯を押すような場合があり、痛みや違和感を生じることがあります。
  4. 親知らずが歯茎に噛み込む 親知らずの生える方向が真っ直ぐでない場合や、かみ合う相手の歯がないような場合は、親知らずが歯茎やほっぺたに当たって痛みを生じることがあります。

親知らずを抜歯する際の
医院の選び方

親知らずを抜歯する際の医院の選び方

患者さまが歯科医院を選択する基準について

親知らずの抜歯は口腔外科手術の基本でもありますが、場合によっては難易度の高い手術でもあります。口腔内の手術に精通している口腔外科専門医のいる施設での抜歯をおすすめいたします。

こんな医院での抜歯を
おすすめします。

口腔外科専門医が在籍する医院は、当院の他に近隣では都立墨東病院口腔外科があります。
当院がある墨田区、また隣接した台東区、江戸川区で口腔外科専門医が在籍しているクリニックは当院のみとなります、総合病院を含めると都立墨東病院を含んだ2医院に口腔外科専門医が在籍しています。

親知らずの抜歯について

抜歯すべき最適な時期・メリット

抜歯すべき最適な時期・メリット

親知らずを抜く場合には20歳前後が抜きやすく、術後の腫れ痛みも比較的楽に済みます。その時期が丁度親知らずの歯根が形成されている途中で神経麻痺のリスクが低く、骨もまだ柔らかくて抜きやすい時期です。
30代以降になってくると歯根が完成して神経と近い場合にはリスクが高くなり、骨もだんだんと硬くなってくるので抜歯も大変になってきます。骨が硬くなってくると麻酔が効きにくかったり、骨を切削する量が増えることがあり術後のダメージも大きくなってきます。
また虫歯になることでも抜歯がしにくくなり、手前の歯の虫歯も誘発して手前の歯の保存も困難になることがあります。
逆に早すぎても深かったり、歯をつかみにくかったりして抜きにくいことがあります。
以上の理由から何歳でも親知らずの抜歯は可能ですが、20歳前後に抜歯するのが術後の合併症も考えて楽だと思われます。

抜歯の難易度

まっすぐに生えている場合

まっすぐに生えている場合
抜歯の難易度 普通
抜歯にかかる時間 5〜30分
抜歯の費用 3,500〜6,000円
程度

横向きに生えている場合

横向きに生えている場合
抜歯の難易度 やや困難
抜歯にかかる時間 15〜45分
抜歯の費用 5,000〜10,000円
程度

埋まっている場合

埋まっている場合
抜歯の難易度 困難
抜歯にかかる時間 20〜60分
抜歯の費用 8,000〜12,000円
程度

抜歯をおすすめする場合

  • 親知らずのまわりの歯ぐきが腫れている。
    (腫れたことがあった)
  • 親知らずのまわりに歯ぐきに痛みがある。
    (痛みがあった)
  • 親知らずが完全に生えてない。
    (途中まで出ている)
  • 親知らずが虫歯になっている。
  • 親知らずが歯ぐきや頬を傷つけている。
  • レントゲンで親知らずの周りに黒い影がある。(含歯性嚢胞)
  • 親知らずの手前の歯(第二大臼歯)が
    虫歯になっている。(虫歯になるリスクがある)

必ずしも抜歯しなくて良い場合

  • 真っ直ぐに生えて(生えてくる見込みがあり)、かみ合っている。
  • 歯牙移植のドナーに適している場合。
  • 骨に完全に覆われて埋まっている場合。
  • 矯正移動に利用できる場合。
  • ブリッジの支えになれる見込みがある場合。

抜歯後の注意点
(腫れ、痛み止め、その他)

痛みは2週間程度ありますが、痛み止めを飲まないと辛い時期は3日間程度です。それ以降は顎を動かしたり、触ると痛みを感じる程度です。逆に痛みが3日目以降に強くなる場合は何かしらのトラブルがあるのですぐに受診してください。
腫れは術後1〜2日目をピークに1週間程度で引いていきます。稀に腫れた部分が内出血斑(青あざ)となる場合があります。その際1週間ほどで紫色から黄色に変わり2週間ほどで自然な肌色に戻ります。
出血については抜歯後1~3日程度唾液に血が混じる程度のことはあります。すぐに口の中いっぱいに出血があふれてくるような場合はすぐに当院に受診してください。また診療時間外の際は提携の救急外来を受診してください。

親知らずを抜歯する際の流れ

  1. 問診
  2. 精密検査、レントゲン、CT検査
  3. レントゲン・抜歯説明
  4. 抜歯
  5. 縫合
  6. 帰宅
  7. 抜糸

抜歯後の腫れについて

抜歯後の腫れについて

通常どの程度腫れますか?

腫れは術後1〜2日目をピークに1週間程度で引いていきます。稀に腫れた部分が内出血斑(青あざ)となる場合があります。

腫れる期間

腫れた際1週間ほどで紫色から黄色に変わり2週間ほどで自然な肌色に戻ります。

危険な腫れ方

炎症が舌側にあり、呼吸のしずらさを感じている状態です。

即日抜歯について

実際に診察してみてからですが、初診の予約時に希望(即日抜歯を希望するか、何本抜歯するかなど)をお知らせいただけたら可能な限り即日抜歯に対応いたします。

即日抜歯ができないケースは
ありますか?

埋まっている親知らずが深く、局所麻酔下での処置が困難と判断した場合、全身状態の関係上かかりつけ医とあらかじめ連携を取らなくてはいけない場合は即日の抜歯をお断りすることがあります。

同時抜歯について

同時抜歯について

当院では親知らずの同時抜歯は可能ですか?

当院での同時抜歯は可能です。

同時抜歯ができないケースは
ありますか?

  • 埋まっている親知らずが深く、局所麻酔下での処置が困難と判断した場合
  • 全身状態の関係上かかりつけ医とあらかじめ連携を取らなくてはいけない場合

よくあるご質問

よくあるご質問

どんな時、親知らずが
痛くなりますか?

親知らずの周りの歯茎が炎症を起こしたとき、親知らず自体が虫歯になったときに痛みを感じます。

親知らずはなぜきちんと
生えないのですか?

歯の大きさに比べ顎の大きさが小さいと奥に生えてくるスペースが足りなくなることで横向きのまま生えたり埋まった状態になることが多いです。

抜かないで治す方法は
ありますか?

まっすぐ生えていて治療が可能なケースは治すことができますが、横向きに生えていたり埋まっている親知らずは抜歯がベストです。

親知らずの抜歯前の注意は
ありますか?

体調がすぐれない際は控えておいたほうが良いです。

親知らずの抜歯は大体
どのくらいの時間で可能ですか?

簡単なものでは5分程度、難しいものでは30〜60分かかることがあります。

親知らずの抜歯はいくら
かかりますか?

保険診療のため生え方や歯の形、検査の内容によって変わります。初診で抜歯をされる場合、3割負担の方であれば簡単なもので3,500円〜6,000円程度、埋まっているものですと8,000円〜12,000円程度かかります。

抜けなくて途中で中止される事はありますか?

可能性としてはあり得ます。神経に接しており、麻酔を行っても奏功しない場合、歯根肥大や歯根彎曲、骨癒着などによって抜歯を中止することがあります。

親知らずが虫歯になると抜歯は
難しいですか?

虫歯の状態によりますが、初期の虫歯ですと難易度はほとんど変わりません。しかし穴が大きく開いている場合や根っこだけになっている場合は難しくなることが多いので早めの抜歯をおすすめします。

親知らずを抜くと小顔になる?

小顔になるという事はございません。

口腔外科専門医・
口腔外科認定医について

口腔外科専門医・
口腔外科認定医であることの強み

口腔外科専門医・口腔外科認定医であることの強み

日本口腔外科学会が認定する口腔外科専門医は、厚生労働省によって標榜することが認められた口腔外科手術の専門家です。「口腔外科専門医」の称号があることで、分野のエキスパートであることが証明されるだけに、認定されるためには以下の厳しい条件を満たす必要があります。

口腔外科専門医取得の条件

口腔外科専門医取得の条件
  • 初期臨床研修を修了後、6年以上の学会認定の研修施設に所属していること
  • 施術実績が100例以上であること(うち40例以上は中難易度レベル)
  • 入院患者(口腔外科)の全身管理経験
  • 全身麻酔や救命センターでの実務経験
  • 学会で演者としての発表経験があり、学術論文の著者であること
  • 以上の条件を満たした後、以下3段階の試験に合格すること
  1. 書類診査
  2. 筆記試験・口頭試問
  3. 手術実地診査

現在10万人いる歯科医師の中でこの口腔外科専門医の試験に合格したのは2,000人しかいない、取得の難しい資格です。