睡眠歯科

睡眠歯科認定医について

睡眠歯科認定医であることの強み

睡眠歯科認定医であることの強み

睡眠時無呼吸のことは、新聞やテレビ等でも取り上げられる機会も増え、ご存知の方も多いかと思います。
睡眠時無呼吸は、睡眠中に呼吸が止まったり、浅くなったりすることで、深い眠りが得られずにからだに負担をかける病気です。睡眠時無呼吸には脳の異常によって呼吸運動が止まってしまうものもありますが、9割以上の方が、気道の閉塞が原因となっておこる閉塞性睡眠時無呼吸(Obstructive Sleep Apnea:OSA)です。気道が狭くなる要因は、体重が重い、あごが小さい、扁桃腺が大きいことなどが考えられています。「いびき」は睡眠時無呼吸のはじまり、「サイン」です。

おもな症状について

いびき、無呼吸、眠気、頭痛などがありますが、単に「いびき」と片付けてしまうのも危険な場合があります。いびきや無呼吸で睡眠中に突然死することはありませんが、無呼吸や呼吸が浅くなるような低酸素状態が持続することは、様々な生活習慣病のリスクも増加します。
高血圧、心筋梗塞などの虚血性心疾患、糖尿病などは、睡眠時無呼吸症が原因となっている可能性もあり、循環器疾患などの増悪や生命予後に関わることも知られるようになってきています。

しかし、現在日本における閉塞性睡眠時無呼吸の予備軍は500万人とも言われますが、未治療の方が多いと考えられています。睡眠時無呼吸は60種類以上ある睡眠障害の1つですので、保険診療では、まず医科医療機関(内科や耳鼻咽喉科、睡眠医療センターなど)での診断が前提となっています。

治療方法

内科や耳鼻咽喉科、睡眠医療センターなどを受診していただくと、自宅で行える「簡易検査」や検査施設に入院して行う「終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)」などで、睡眠時の呼吸などの状態が検査されます。閉塞性睡眠時無呼吸と診断を受けられた場合、重症度に応じて、治療方法が選択されています。
(当院ではこのような検査は行うことができないために、検査が可能な連携医科医療機関をご紹介いたします)
当院の睡眠歯科外来では、レントゲン写真検査、口腔内写真検査や経鼻内視鏡検査などを用いて、口やのどの診察、検査を行い、原因を検索します。それらをもとにマウスピース治療が効きやすいか、またどのようにすればより効果が得られるかなどの診断を行います。
閉塞性睡眠時無呼吸の中等症や重症の場合は、内科などの医科医療機関での持続的陽圧呼吸療法(CPAP)が第一選択になりますが、軽症~中等症の場合や、様々な理由により先ほどのCPAP療法が使用しづらい方などがマウスピース治療が選択されています。
医科医療機関から、専門知識のある歯科医師の所属する病院や歯科医院にマウスピース治療が依頼されます。

当院の睡眠歯科外来

当院の睡眠歯科外来では、下あごを前に出した状態で上下のあごを固定する睡眠時無呼吸症用のマウスピースを用いて治療します。(歯ぎしりや顎関節症などで使用される上あご、または下あごのみのマウスピースとは異なります)これによって、仰向きに寝た状態でも落ち込んだ舌や軟口蓋(のどちんこなど)が上がり、空気の通り道が確保される装置です。マウスピース治療が奏効すれば、いびきや無呼吸が軽減し、日中の眠気や頭痛なども改善することが多いようです。
マウスピース治療は、内科などの医科医療機関で行われる持続的陽圧呼吸療法(CPAP)と比較すると、場所を取らず、持ち運びにも簡便で使いやすいため、適応を選べば有用な治療法の1つです。

この装置は、歯型を取って終わりというものではありません。その方にとって最大の効果を発揮しつつ、副作用の少ないマウスピースの選択と位置設定が大変重要です。また、長期間良好に使用していただくためにも、定期的な管理が大変重要です。
当院の睡眠歯科外来では、睡眠時無呼吸症に対するマウスピース治療の専門医が担当しています。長年大学病院などで睡眠歯科を行ってきた歯科医師であり、マウスピース治療開始前の、あごの不安や痛みなどでお悩みの方や、マウスピース治療後のあごの痛みなどへの対応もご安心ください。
また、マウスピース治療は、装着して終わりではありません。うまく長期間使用して頂けるには、定期的な管理も大変重要です。何かありましたら、連携している大学病院や総合病院歯科口腔外科への紹介も行っています。