大人の矯正 抜歯?非抜歯?

矯正治療を始めようか考えた時、自分は歯を抜く必要があるのか気になるところだと思います。
矯正治療で歯並びをきれいにしたいけど、なるべく歯を抜かない負担の少ない治療を希望される人が大半だと思います。

 

しかし、歯を抜かない矯正治療を選択したことにより、かえって大きなデメリットが生じてしまうこともあります。

そこで今回は歯列矯正で歯を抜くか抜かないかを決める要因やそれぞれの場合の方法をご紹介していきます。

 

 

日本人の場合、顎の幅を広げるなどの子供の矯正治療を受けていた割合が少ないことや人種的に前後的な顎の幅が狭いために白人と比べてどうしても歯を抜く必要性が高くなりがちな傾向にあります。

しかし、様々な器具の開発や技術の進歩により、以前よりも歯の動かし方が大きく変わり、今まで歯を抜かなくては治らない噛み合わせが抜かなくても治る場合もあり、患者さんのニーズに合わせて治療することがある程度可能となりました。

 

ところが、強引に歯を抜かないで治そうとすることで別のトラブルが生じてしまうことも報告されており、一概に歯を抜かない治療法がベストとは言い切ることはできません。

 

抜歯、非抜歯を決定する要因として以下の項目が挙げられます。
・デコボコの量
・上下歯列の前後的咬み合わせのズレの量
・前歯の角度が適正範囲からどの程度は外れているのか
・口元の突出の程度

 

これらの4つの基準を総合的に考えて、歯を動かすためにどの程度のスペースが必要なのか、そのスペースを抜歯以外の方法で作れるのかを検討した結果として抜歯が必要なのかどうかが決まるのです。

 

抜歯以外でスペースを作る方法としては以下の方法があります。

①歯列拡大する(奥歯を外側に傾ける、前歯を前へ傾ける)
➁奥歯を後ろに移動させる

③歯の形を小さくする

 

これらの①~③の歯を抜かない方法が生体の許容範囲内で行われるのであれば問題ないのですが、その限界を超えて無理に行われてしまった場合には、治療後の安定が悪くて後戻りがしやすかったり、歯周組織にとって害をもたらすという歯を抜くということ以上に好ましくない結果を招くことがあります。そのため、やはりどうしても抜歯が必要となるケースもあります。

人によって顎や歯の大きさ、上顎と下顎のズレの度合いは異なるため一概に抜く抜かないの治療のどちらが絶対に正しいというのはありません。

抜歯・非抜歯、どちらの治療法にもリスクはありますので、それぞれの場合のリスクをきちんと把握した上で矯正治療を受けられるとよいのではないのでしょうか。

当院では抜歯治療と非抜歯治療の利点と欠点を説明し、どちらが患者さんにとってより良いのかを患者さんと相談しながら決めていきます。

 

 

両国の歯医者|I’s歯科・矯正歯科 両国

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